映画【エグザム】あらすじ・ネタバレと感想

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映画の基本情報

■公開年:2009年
■監督:
スチュアート・ヘイゼルダイン
■主演:ルーク・マブリー、ナタリー・コックス
■制作国:イギリス
■上映時間:101分

8人の候補者が難解な採用最終試験に挑む密室サバイバル・サスペンス映画、『エグザム』を観たので、あらすじ(ネタバレ含む)と感想を書いていきます。あらすじはネタバレなしの部分とありの部分とに分けて書いているので、まだ観ていない方は注意して読んでください。

ジャケットから勝手にグロ内容を想像してしばらく避けてた作品を遂に見ました。実際はそんなシーンも全然なく、老若男女問わず誰でも楽しめる(一応)どんでん返し系サスペンス映画になっています。オチの意外性は△、ハラハラドキドキ感は〇、英語の聞き取りやすさ◎の作品でした。目を凝らして伏線を探すような作品ではないので、宅飲みほろ酔いでも楽しめます。

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主な登場人物

ホワイト:白人男性
ブラック:黒人男性
ブラウン:アジア系の男性
ブロンド:金髪女性
デフ:眼鏡系コミュ障的男性
ブルネット:黒髪女性
ダーク:眼鏡インテリ系女性
アジア系の女性

あらすじ(ネタバレなし)

何やらものすごく強大な企業の最終試験に8人の候補者が残り、試験会場に集められた。そこは窓がなく、机とイスと問題用紙、タイマー、そして拳銃を持ったガードマンだけが配置されたシンプルな部屋だった。みんなが着席した後、試験監督が現れ、試験のルールを説明した。

「質問は一つ。求められる答えも一つ。試験監督である私やガードマンに声をかけたら失格とする。いかなる理由でも自分の問題用紙を傷つければ失格とする。また、いかなる理由でも退室を選択すれば失格とする。何か質問はあるか?」

誰も質問がなかったので彼がタイマーを作動させ、80分間の試験が幕を開けた。

用紙を裏向けて回答を始めようとする一同だったが、その用紙は白紙でどこにも問題文が見当たらなかったのだった。

あらすじ(ネタバレあり)

※以下ネタバレあります。本作をまだ観ていない方は注意して下さい。

問題用紙が白紙で戸惑いを隠せない一同。アジア系の女性がその用紙に自己PR文を書き始めたが、すぐにガードマンによって退出させられる。どうやら「問題用紙を傷つけてはいけない」という項目に反していたようだ。映画開始からわずか10分30秒のことである。

その様子を見ていた白人男性があることに気付く。それは「禁止されたこと」ではなく「禁止されていないこと」だった。隣のインド系と思われる男性に話しかけてもつまみ出されないことで確信を得た彼は、会話を始めた。みんなも喋り始め、便宜上、白人が部屋に残った7人にニックネームをつける(上の登場人物の項目を参照してください)。ちなみにデフ(耳が遠い人)は、コミュ障っぽく、話を進める他の6人に全然協力的でないことからメガネに付けられたあだ名である。そしてホワイトは席を立ち、会話も移動も自由であることを証明する。

用紙のどこかに問題文が隠されていると考えた一同は、光によって問題文が浮き出てくるのではと考える。部屋の蛍光灯を割って非常灯を付けたり、様々な種類の光に用紙を透かして試してみるがどれも効果はなし。初めに脱落したアジアン女性の用紙を検体に、次は唾液などの液体でも試していくがどれも成果を挙げられなかった。独り言からデフがフランス人であることが分かるが、彼のセリフには特に意味はないようだった。

その中で、ダークがなぜか妙に企業について詳しいことが判明する。そして彼女は会社についての説明を始めた。世間では10年前に若者を中心に疫病が流行し、多数の死者が出た。その特効薬を開発したのがこの企業であり、企業でありながらそこらの国と肩を並べられるほどの経済力を握っていた。バイオーグ社という会社である。逆になんで知らずに応募した人がちらほらいるんだ。

その後ブルネットがガードマンのポケットからライターを見つける。それを使って消火器を作動させればその液体で問題文が浮かび上がると考えたのだ。デフだけは天井の消火器でなくタイマーを意味ありげに見つめたり挙動不審だが、誰もそれを気にとめなかった。一枚の用紙に火をつけて煙で天井のスプリンクラーを作動させ、その水で用紙の問題文が浮かび上がるかを検証したが結局なにも起こらない。しかもホワイトがブルネットの問題用紙に火をつけていたため、騙されて用紙が燃えたブルネットもここで失格。続いてホワイトは、コミュ障で軽いパニックを起こしたデフの用紙も破いて彼を失格にさせる。眼鏡を床に落としながらも退出させられたデフ。

余りに狡猾な彼の振る舞いに業を煮やしたブラックが彼を殴って気絶させた。そしてホワイトは気絶したままさるぐつわを噛まされ椅子に縛りつけられた。

目を覚ましたホワイトがなんか騒いでいるので話を聞いてみると、彼はどうしても薬を飲まなくてはいけないという。なんと彼もその疫病にかかっていたのだった。症状が出て再び気を失ったホワイトだが、薬は誰かに盗まれていて見当たらない。だんだんとお互いを信用できなくなってきた残りメンバー達。次はブラウンが静かに暴れ始め、ダークを拷問して彼女がバイオーグ社に勤めているから会社の情報に詳しいことを白状させる。それでも彼女は昇進のために応募しただけで最終試験の問題は知らなかった。

遂にホワイトが痙攣をし始めて危険な状態に。薬は結局ブラウンが隠しもっていたが、見殺しにしようとするブラウンが邪魔をして薬は排水溝に落ちてしまう。ダークが監視カメラに向かって救援を呼びかけるが、試験監督に話かけたことでダークはここで失格。なんとか薬を取り出したブロンドがホワイトに薬を飲ませてホワイトは無事に復活した。しかしホワイトが今度はガードマンの拳銃を奪おうとブラックを倒し、止めにはいったブラウンも倒して拳銃を入手、全員を支配し始めた。ブラウンを退出・失格させ、続いてブロンドを退出させようとしたところで、ブロンドとブラックが結託してホワイトを倒そうとするが結局ブラックが撃たれてしまう。

退出したフリをしてぎりぎり片足だけ試験会場に残っていたブロンドと倒れたブラック、そして拳銃を持つホワイト。勝利を確信した瞬間タイマーが鳴った。「俺こそが答えだー」とかなんとか騒ぐホワイトにガードマンが歩み寄り彼を退出させようとする。なんとタイマーはデフによって早送り操作されており、実はまだ20秒程残っていた。失格になったホワイト。

撃たれて倒れているブラックをよそに、デフのメガネを見てフラッシュバックとともに試験問題の答えを探り始めるブロンド。いや、今までも散々考えてきたろうに…。そして制限時間も終わっておろうに…。そこへデフと試験監督が現れた。実はデフこそがバイオーグ社のCEOであり、この選考試験は彼の右腕となる秘書を採用するためだったのだ。そして、この最終試験の質問は、

「何か質問はあるか?」

という試験監督の言った質問であった。なんじゃそら。制限時間も終わったがその意図を見抜いて「いいえ、ありません」と答えたブロンドはめでたく採用されたのだった。

P.S.
ブラックが撃たれた銃弾は、会社が開発した細胞組織を急速に回復させる薬であり、彼は気を失ってはいたものの無事でした。おしまい。

感想

デフやブルネットなど残りそうな訳アリ顔がどんどん脱落するので、これは誰が残るか分からんぞ!と一応最後までドキドキハラハラで観ましたが、ちょっとダラダラした感は否めないです。デフが退場した時点で、あんなに意味ありげに映されてたデフがこんな形で退場するのかと違和感がありましたがその通りでしたね。彼が黒幕的な。

全体的にはちょっと話を無理矢理繕った感じがしてしまいました。鉛筆で文字を書いたら失格なのに、スプリンクラーの水で濡らすのは大丈夫なんかい!昏睡状態から薬で目覚めてすぐ格闘できるんかい!監視カメラあるのにマジックミラーもあるんかい!ブロンドは片足がぎりぎり部屋の中にあっただけで部屋に残ったと見なされるんかい!というツッコミどころは満載ですので、結末を探って伏線探しをするよりツッコミどころを楽しむ映画だと思います。

今思えば、試験監督が最初に説明をする時に、一番前に座っていた受験番号1(デフ)と2(アジアン女性)の後ろまで歩いていってから説明をしていたので、もともと二人は選考対象ではないという暗示だったのかもしれないですね(もしかしたらアジア女性もサクラかも)。

しかし、デフがタイマーをいじった前後で、それが分かるくらいの時間経過の描写もなく、その他にも伏線らしい伏線もなく…。最後にならないと答えは分からない後出しじゃんけん系の構成でした。しかも肝心の質問は「質問はあるか?」だったという。

なんじゃそら!

どんでん返しものではなく、「この橋(ハシ)渡るべからず」的な頓智ものでした。

ちなみにこれ、もし誰かが真面目に「いいえ、質問はありません」ってあの時試験監督に答えていればどうなったのか。この謎には監督自らツイッターで回答をしていたようです(同じことを考えた方が現地にもいたみたい)。

Yup. Or written it at any time during the test.

Stuart Hazeldine(@stuarthazeldine) August 27, 2016

つまり本作の設定上、最初の「質問は?」の時に何か答えたり、用紙にそれを書いた人がいればその人が即採用となっていたようです。重ね重ね、なんじゃそら。

総合評価は60点(100点満点)です。駄作とは言いませんが、期待はするなかれ。

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