映画【ランボー】あらすじ・ネタバレと感想

映画の基本情報

■公開年:1982年
■監督:
テッド・コッチェフ
■主演:シルヴェスター・スタローン
■制作国:アメリカ
■上映時間:97分

ロッキーと並ぶスタローンの代表的なアクション映画、『ランボー(原題:First Blood)』を観たので、あらすじ(ネタバレ含む)と感想を書いていきます。あらすじはネタバレなしの部分とありの部分とに分けて書いているので、まだ観ていない方は注意して読んでください。

シリーズの2や3のドンパチなイメージで観ていましたが、意外にも社会的なメッセージが色濃く提示されていたように思います。ゲリラ戦では敵なしのムキムキランボーと、町とメンツを守ろうと躍起になる警察達の戦いっぷりから目が離せません。2や3と比べると盛り上がりに欠けるかも知れませんが、当時の重くて暗い社会の一面とアクションをバランスよく楽しむことができます。

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主な登場人物

■ジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン):ベトナム戦争の英雄で帰還兵
■ティールズ保安官:山間の小さな町の保安官
■サミュエル・トラウトマン大佐:国防総省の大佐でランボーの元上司

あらすじ(ネタバレなし)

冬のワシントン。ベトナム帰還兵のジョン・ランボーは戦友を訪ねて山間部の田舎を訪れた。戦友の家を訪ねたが、彼は化学兵器の後遺症で昨年亡くなったと告げられる。

食事を取ろうと近くの町に入ったところ、その街の保安官であるティールズが声をかけた。ランボーを見て有害な浮浪者だと判断した彼は、彼をパトカーに乗せて町の外まで送って行った。町に近づくなと警告して立ち去るティールズだったが、ランボーは連れてこられた道を引き返そうとする。業を煮やしたティールズは彼を取り調べ、サバイバルナイフ所持と浮浪罪で逮捕した。

町の保安官事務所で悪質な取り調べを受けていたランボーは、ベトナム戦争で受けた拷問の惨劇が脳裏に蘇り、暴れてその場にいた取り調べ役の男数人をなぎ倒し、サバイバルナイフを奪い返して山へ逃げ込んでしまう。

しばらく保安官達からの逃走劇を続けていたが、ランボーは断崖絶壁の際まで追いつめられる。絶壁を少し降りたところでヘリコプターが現れ、先ほどランボーに痛い目に会わされてキレた一人の保安官がランボーに向かって銃撃をする。とっさに崖から飛び降りて木をクッションに無事下へ降りたランボーは、防衛のためにヘリに向かって石を投げる。するとその石がヘリに命中し、バランスを失った拍子に銃撃していた保安官はヘリから転落死してしまった。

「殺すつもりはなかった。」と残りの保安官に停戦を申し出るが、保安官は死んだ仲間の敵としてランボーに攻撃を続ける。結局ランボーは山中に潜り込み、自分の最も得意なゲリラ戦法で残りの保安官と戦うことにした。

あらすじ(ネタバレあり)

※以下ネタバレあります。本作をまだ観ていない方は注意して下さい。

もちろん山中のゲリラ戦で戦争を生き抜いた英雄ランボーに田舎の保安官が勝てるはずもなく、一人、また一人と倒されていき、最後に襲ったティールズに「この山では俺が法律だ」という名言を残して姿を消したランボー。

完全敗北し、山を下りた保安官一同の元に州警察と州兵、そして国防総省のサミュエル・トラウトマン大佐がやってくる。ランボーの人間離れした強さと戦場での活躍を語り、保安官にランボーを逃がして他の町で逮捕する案を打診したトラウトマン大佐。しかし、自身のメンツにかけてどうしても自分でランボーを倒したいティールズはその案を却下。トラウトマン大佐は無線でランボーに投降を呼びかけるが、ランボーは「先に攻撃してきたのは保安官達だ。投降はしない。」と告げ無線は切られた。

夜が明けて兵に見つかり、逃げ込んだ坑道ごと爆破されたランボーは、間一髪で坑道の奥に入り込んでいた。そのまま突き進み、別の出口から脱出したランボー。トラウトマン大佐を除き、他の保安官と兵達はランボーが死んだと喜んでいた。

脱出したランボーはすぐ近くの道路を通っていた州兵のトラックを強奪し、乗っていたM60機関銃を奪って町へ侵入。トラックをガソリンスタンドに突っこませて爆発させたり、町の電源を落としたり鉄砲店を爆破したり、その怒りを町にぶちつけていった。

保安官事務所の屋根にいたティールズはランボーとの銃撃戦で撃たれて転落。重症のティールズにランボーがとどめを刺そうとすると、そこに大佐が現れた。「お前は包囲されている。もう逃げられん。戦争は終わったんだ。」と言う大佐に、「俺の戦争は終わってない!戦争は続いているんだ!」と泣き出したランボー。

そして、ベトナム戦争に関わった自分の凄惨な過去を大佐に語った。命を張った戦闘の末の敗戦。本土に帰れば反戦派から非難の嵐。そして今でも悪夢となって彼を苛む、目の前での戦友の爆死。その表現は過激なので本編でお楽しみ下さい。

大佐にすがって大泣きする英雄ランボーを、大佐はただ抱きしめることしかできなかった。そして、ランボーは投降し、大佐の手によって連行されていった。

感想

ベトナム戦争後のアメリカ社会で、どれだけ帰還兵の苦しみがあったのかは想像に難からないですが、ランボーの苦悩が誇張でないような陰鬱な戦後体験記は数多くあります。現在でもイラク戦争などの中東軍事作戦からの帰還兵も同じように苦しんでおり、それを題材にした映画も多く放映されています。

基本的にはランボーことシルヴェスター・スタローンのアクションと肉体美を楽しむ作品だと思いますが、上記のような社会に根深い問題も投射されていることで、他のアクション映画とはまた一味違うテイストになっています。ランボーの破壊衝動は、そのまま世間の不条理に対する行き場のない帰還兵の苦しみの裏返しです。

ランボーのアクションに物足りないとは言わず、ランボー誕生の背景とアメリカで今なお現実に続く帰還兵の苦悩を見知るためにぜひ本作を観てほしいです。

総合評価は80点(100点満点)です。派手なだけのアクション映画よりずっと心に響く映画でした。

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