車でヨーロッパ3カ国を巡る旅行をした話の最終日4日目。
ローテンブルクとノイシュヴァンシュタイン城見たさに友達の愛車ビートルに乗り込んだ!無計画な2人だがさてはて旅の行方は…?
てな感じで車でドイツ、オーストリア、スイスの3ヵ国を巡る3泊4日の旅をしてきました。なかなか素晴らしい旅になったので忘備録として書いておきます。4日目最終日はベルンを出発してまずルツェルン、次にチューリッヒ、そしてドイツに入ってリヒテンシュタイン城を訪れます。
第8の街:ルツェルン
さていよいよ最終日。今日の夜にはフランクフルトへ戻らねばなりません。
フランクフルトに帰りがてら寄れそうな街に寄ろうということで、軽く下調べをしてベルンのホテルをチェックアウトしました。まず、帰りのルート上に現れるのが「瀕死のライオン像」で有名なルツェルンという街です。
ベルンからは1時間ちょい。高速を降りて街へ入っていき、中央駅近くの地下駐車場に駐車しました。
今日は天気がいい!『ようこそルツェルンへ』という門を通ってまずは旧市街の方面にある「瀕死のライオン像」を目指します。
中央駅からすぐ東にはルツェルンが「水の都」と呼ばれる所以であるルツェルン湖が開けています。これがまた大きな湖で、気持ちの良い雄大な景色についつい座って景色を眺めたくなります。ルツェルン湖はスイスでも4番目に大きな湖で、実は複雑な地形でずっと東の方へ伸びています。ただ、山にさえぎられてここからその一部だけが見えている状態です。スイスの街は本当にどこを切り取っても絵になりますね。
ルツェルンが「水の都」と呼ばれる理由に数秒で納得がいくような景色です。
あまりに風景に溶け込んでいたおじいさんを撮らせてもらいました。毎日のようにここで日光浴しているのでしょうか、おじいさん。
さて、上の写真に写っている堤防沿いをずっと奥の方まで歩いていきます。
どこからでも見えるので目印にしていたホーフ教会。おじいさんの写真でも奥の方にばっちり映ってます。パイプオルガンが見事だとの口コミでしたが、前知識のない我々は普通にスルー。こんな感じで損していることは他にもたくさんあるのかもしれません。
しかし今の我々の目的は瀕死のライオン像、略して瀕ライ像。とりあえず目的のスポットに猪突猛進型です。
大通り沿いに歩いていくと道が左へカーブしているのでそのまま道沿いに進み、少し傾斜を登るように進んでいきます。しばらく歩いていくと…
あった。ライオン。思った数倍大きい。
このモニュメント、「嘆きのライオン像」とか「ライオン記念碑」とも呼ばれています。一応「瀕死の~」が一番ポピュラーのようですが。
なんでもフランス革命の時に、宮殿のルイ16世とマッリーアントワネットを守って亡くなっていった兵士を讃えて作られたそうな。そのスイス兵の数なんと786名。
今でこそスイスは観光大国で裕福な国の一つですが、以前は国を運営する財源のため国民を傭兵として近隣諸国に送り出していました。そのため、このフランス革命の時にもフランスの王族と契約をしていたスイス人兵士が最後まで王家のために戦ったのです。
しかし、国のお金のために近隣国の勝つ見込みもない戦争に参加して死んでいくなんて、かつては本当に悲惨な話があったものです…。そういう歴史を後世に伝えている点だけを見てもこのライオン像は意義深いですね。制作された背景と合わせて一見の価値ありです。
瀕ライ像の後は旧市街を散策してみます。
有名な市庁舎の時計塔。似たようなのを他の街でもみたような。時計塔のデザインなんてそんなに幅が広くないということなのか…。
ヒルシェン広場。街のあちこちにこの建物のようなフレスコ画が見られます。
カペル橋。ルツェルン湖へそそぐロイス川にかかるヨーロッパ最古の木造橋です。「瀕ライ像」と並ぶルツェルン屈指の観光スポットではないでしょうか。
1993年の火災で一度焼けましたが復元されています。翌年に再建されているので、実は僕と同い年のこの橋。もちろん橋は無料で歩いて渡れるので我々も歩いてみます。
欄干から乗り出して橋の湾曲感を撮影しようとして向こうのお兄さんと目が合って恥ずかしかった直後の写真。欄干に飾られている花もきれいでした。橋の途中にお土産を売る屋台があったりして、かなり賑わっていました。
うろうろ歩いて疲れたので少し早めの昼食をとることに。なにかスイスの伝統料理を食べられないかと旧市街を歩いていると、『Alpchalet(https://www.alp-chalet-luzern.ch/)』という一軒のレストランを発見。詳しいことは分かりませんが、スイスの伝統料理が置いてあるみたい。中に入ると時間が早いせいか客は我々だけでした。僕は「卵とベーコンの自家製ロスティ」なるものを注文。
スイスのじゃがいもホットケーキのようなものらしいです。シンプルながら味はとても良かったです。他のメニューではトマトとかチーズとかもあったので、けっこう自分の好みに合わせてバリエーションを広げられる料理なのかもしれません。日本ではそんなに知名度はないですが、ヨーロッパでは朝食として広く親しまれている料理のようです。ちなみに国内でもネットで買えます。
ご飯を食べたらぼちぼち次の街へ向かいます。瀕ライ像につられて何の気なしに立ち寄ったルツェルン。とても素敵でさわやかな水の都でした。
第9の街:チューリッヒ
さて、スイス最後の街はチューリッヒです。ルツェルンから40分ほどで到着して、また中心街近くの地下駐車場にビートルを停めて例のごとく予備知識ゼロで観光開始です。
地理が分からず、観光スポットの集まるリマト川付近に駐車できなかったのでしばらく歩いて向かいます。
すると見えてきました。
またまたきれいな街並み。今日は天気の良さに本当に助けられました。ルツェルンでもそうでしたが水と空の青がめちゃめちゃ映えます。中心地まで行くとかなりの数の観光客で賑わっています。我々も観光客に混じって橋を渡ってしばらく川沿いに歩いてみます。
観光スポットとして知名度が高いわけではないですが、街で一番高い塔を持つプレディガー教会。確かにどこからでもぱっと目につきます。我々は中の見学は今回素通りです。
どんどん歩いていくとポストカードで見るような景色が出てきました。
グロスミュンスター大聖堂です。道のすぐ脇にあるので、通りから見上げるとかなりの迫力。立派な二つの尖塔が特徴的ですが、この塔にも有料で登ることができます。今回我々はこれもスルー。やる気あるんか。
そしてグロスミュンスターの対岸にはこちらの塔が。手前に見えているのが「聖ペーター教会」、奥に見えているのが特に有名な観光スポット「フラウミュンスター」という塔です。位置的にはグロスミュンスターとフラウミュンスターが川を挟んで対をなしている感じですね。この川を挟んだ一区画にたくさんの街の代表的な建築物が建っているのです。フラウミュンスターの鮮やかなエメラルドグリーンの尖塔は青空に映えてとても美しかったです。フラウミュンスター内部にはかの有名なシャガールのステンドグラスがあるとのことで早速我々はスルー。無知の暴力です。
しばらく街を歩いて景色を堪能した後、最後にやってきたのは、これらの建物や街並みを一望できるリンデンホフの丘。
すいません、言うてフラウミュンスターとかは全然見えないですね。グロスミュンスターが少し遠めに見えています。何はともあれ、旧市街を見下ろせることでたいへん人気の観光スポット。地元の方もたくさん来られているような雰囲気でした。近くに住んでいる方にとっては散歩にもちょうど良さそうな気持ちのいい場所です。少し坂を登らねばなりませんが、チューリッヒ観光に来られる方にはおススメの場所です。
なんとなく、ユングフラウヨッホ、ベルン、ルツェルンの後に来てしまったことで既にスイスの超きれいな景色に耐性が付いてしまったようです。この街に一発目に来ていれば大はしゃぎで観光していたに違いないですが、旅の疲れもあるのか割と静かに観光を終えた街でした。でもめちゃめちゃおススメです。ベルンよりおススメです。
さて、車に戻ってきた二人はいよいよドイツへ向けて帰路につきます。
スイスはなんせ物価が高くて気安くカフェにも入りずらい国でした。ルツェルンで食べたロスティもあれだけで2000円はします。シンプルにドイツの1.5~2倍くらいに感じる物価の高さ。でもあの美しい絶景の数々、僕の心はがっつりと掴まれちゃいました。あんな景色がそこら中にあるなんて破格ですよ。また絶対来よう、スイス。ありがとうスイス。さよならスイス。
第10の街:ホナウ・リヒテンシュタイン城
3泊4日の夢のような欧州車旅もいよいよ大詰め。
最後に選んだ場所はドイツのリヒテンシュタイン城です。
人気アニメ映画『ルパン三世カリオストロの城』のお城のモデルの一つと言われる、知る人ぞ知るお城なんです。
思えば車に荷物をありったけ積んで出発し、偽札の謎に導かれてオーストリアやスイスをうろうろ旅する我々の姿はルパン・次元とほぼ同じ。映画と異なる点と言えばクラリスと不二子に出会えなかったことくらいです。こんな二人が旅の終着点にこのお城をたまたま(これは本当にたまたま)選んだのも運命ってやつでしょうか。
そんな運命を一方的に感じながら、お城を目指して下道で田舎道をひたすら北上していきます。ドイツは下道でも80km出せるところがあるのでスピード狂にはおススメの国です。かなりごと走ってやっとお城へ上がっていく道を発見。早速山を車で上がっていきます。ホナウという街のはずれの小高い山の上にあるお城なので、今回我々はホナウの街を通ることはありませんでした。山を登るとすぐ駐車場が見えてきます。時間が遅くなり、閉館時間も近づいていたのでちょっと急ぎ目でお城に向かいます。
まず城門をくぐったところででチケットを買って、庭のようなところからお城へ進んでいきます。
おお!あった!
そんなに大きな荘厳なお城というわけではないですが、とても独特な佇まいのお城です。写真では下の方まで撮れていませんが、かなり切り立った崖の上にお城がちょこんと乗っているような作りになっています。もしこれが賃貸なら立地条件めちゃ特殊です。
正直カリオストロの城との類似点がはっきり分かりませんでしたが、このとても不思議なお城の雰囲気から着想を得てカリオストロの城のデザインが作られたのかもしれません。我々もこのリヒテンシュタイン城に敬意を表して映画の主題歌『炎のたからもの』を斉唱。近くに他の観光客がいなかったからこそ実現しえたことでありました。
城内の庭から見たホナウの街。かなり高いところにあるお城だということが分かるかと思います。ホナウの街自体も全然大きいものではありません。この辺りはリヒテンシュタイン城しか観光地らしい観光地はないのかも。
逆の方からも1枚。見れば見る程不思議な建築です。19世紀の『リヒテンシュタイン』という名前の騎士物語に憧れたドイツ人建築家が建てたお城で、他国からの防護とか国の統治とかいう要素はまったく加味されずに建てられたようです。たしかに城主一家が住むのにちょうどくらいのサイズ感ですし、この中世ヨーロッパを前面に押し出したようなデザインにも納得です。
こちらのお城、入場料+α払うと城内の見学もできます。僕らは時間がなくて庭からの見学のみでしたが、敷地内にはこのお城以外にも中世風の建物が建っているので、外だけでも十分楽しめるかと思います。別の有名観光地のついでに寄るというのが難しい場所ではありますが、『カリオストロの城』が好きな方はぜひ足を運んでみて下さい。
旅のおわりに
という訳でフランクフルトに帰って参りました。3泊4日、3カ国10都市(街)の旅はこれにておしまいです。
いや、ほんとうに素晴らしい旅になりました。車で欧州旅は昔から憧れていたので、旅を提案してくれた相棒には感謝感謝です。鉄道やバスの旅と違って、自分たちで道を走ると道脇や街の細かいところにも目がいくので、その分濃密な時間を過ごすことができます。時間にも縛られず、途中で旅程を好きなように変更していけるのも車旅の魅力の一つです。
ぜひまたいつか第2弾をやりたい。スイス最高。おしまい。
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